第11章 人生儀礼
やってみればわかります その大切さ
■[大人の儀礼]
 5.長寿のお祝い



父母、祖父母たちをはじめ、一家のものが長寿であることほど、おめでたいことはありません。

家族一同揃って長寿を寿(ことほ)ぐとともに神社に参拝し、平素のご加護に感謝し益々壮健で長生きするよう祈願いたしましょう。

長寿の祝いとは、年祝いとも言います。中国より伝来した頃は、四十の初老の賀から始まり、以後十年ごとに九十賀まで祝いました。

奈良時代には貴族の間で長寿を祝うしきたりができ、室町時代に入ると、このほかに六十一歳、七十七歳、八十八歳、九十九歳、などにも、それぞれ祝いの意味を持たせて、日本的なお祝いをするようになりました。そして江戸時代に入ると民間でも盛んに行われるようになりました。

 人生経験豊かな年長者に敬意を表し、ますますの健康と更なる長寿を願って盛大にお祝いを致します。 

【長寿のお祝いの年齢とそのいわれ】
「還暦(かんれき)」
六十一歳
 還暦の字のとおり子、丑等の十二支(じゅうにし)と甲乙丙などの十干(じっかん)が生れた時と同じになる、つまり暦が元に戻ることから名付けられたもので、生まれた年の干支を「本卦(ほんけ)」ともいい、「本卦がえり」ともいいます。

「古稀(こき)」
七十歳
 中国の詩人・杜甫の詩「人生七十年古来稀なり」から取った名称です。

「喜寿(きじゅ)」
七十七歳
 喜びという字の草書体が七十七と読めることから「喜字の祝い」ともいわれます。扇子に「喜」の字を書いて贈る習慣もあります。

「傘寿(さんじゅ)」
八十歳
 傘の略字が八十に読めることからきています。

「米寿(べいじゅ)」
八十八歳
 米の字を分解すると八十八になることからきています。

「卒寿(そつじゅ)」
九十歳
 卒の略字が九十と読めることからきています。

「白寿(はくじゅ)」
九十九歳
 「百」という字から一番上の一を取ると「白」になることから、百引く一で九十九歳をいいます。

「上寿(じょうじゅ)」
百 歳
 このうえない長寿という意味で百歳以上のお祝いをさします。



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