第１４章 神宮大麻・暦
お伊勢さまのお神札と日本の正式な「暦」
■コラム
神宮の文化施設
神宮徴古館
（じんぐうちょうこかん）
神宮徴古館は、神宮崇敬の歴史と、日本の文化を示す「歴史と文化の総合博物館」です。
徴古館は、明治３０年代に日本で初めての私立博物館として財団法人「神苑会」により企画され、有栖川宮を総裁とする国家事業で進められ、明治４２年（１９０９）に完成しました。
明治４４年（１９１１）に神宮に奉納され「神宮徴古館」として親しまれてきましたが、昭和２０年（１９４５）戦火をうけ、建物と収蔵品の大部分を惜しくも焼失しました。
昭和２８年（１９５３)、第５９回の式年遷宮を記念して復旧。徴古館は平成１０年(１９９８)に国の登録有形文化財に指定されています。
神宮農業館
神宮農業館は明治２４年（１８９１）神苑会が外宮前に創設したのがはじまりです。
農業館の目的は、皇祖・天照大御神と、産業の守護神である、豊受大御神の御神徳を広めるため「自然の産物がいかに役立つか」を一大テーマとする日本最古の産業博物館です。
明治時代の殖産興業をめざす「博物館の博物館」をご覧いただくことができます。
神宮美術館
神宮美術館は、平成５年（１９３３）の第６１回式年遷宮を記念して創設されました。
式年遷宮に奉賛して当代最高の美術・工芸家の方々（文化勲章受章者・文化功労者・日本芸術院会員・重要無形文化財保持者）から献納された絵画・書・彫塑・工芸を収蔵・展示しています。
将来遷宮が行われる２０年ごとにその時代を代表する秀作を収めて、「我が国の美術史が展望できる全国に類をみない美の殿堂」をめざしています。
神宮文庫
古来、内宮・外宮の域内には文殿（ぶんでん）や神庫（しんこ）という記録文書を納める施設があり、古儀を重んじる神主の研究調査に利用されていました。
江戸時代に入り、慶安元年（１６４８）には、外宮の東隣に豊宮崎文庫（とよみやざきぶんこ）が創設されました。
また、貞享３年（１６８６）には、内宮文庫が建てられましたが、元禄３年（１６９０）に内宮近くの林崎の地に移され、林崎文庫（はやしざきぶんこ）と改称されました。両文庫は、図書館であると共に神職子弟の教育機関でもありました。
やがて、明治４年（１８７１）の神宮改正にともない、両文庫をはじめ文殿・神庫等の蔵書を合わせて設立されたのが神宮文庫です。
現在の建物は、大正１４年(１９２５)に建てられた和洋折衷の建造物で、閲覧室や事務室などを配しています。
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