第4章 神社のお参りの作法
 コラム

お賽銭(さいせん)



 お賽銭のはじまりは、神前にお米をまく「散米(さんまい)」や、洗ったお米を紙に包んでお供えする「おひねり」といわれています。

参拝者がお祓いの意味で、命のもとである米を捧げたり撒いたりしたのです。

このお供えは、時代が下るにしたがって、米の代わりにお金をお供えするようになりました。これを「散銭(さんせん)」といいます。それを後に「賽銭」というようになりました。

 お賽銭は、お参りする前に賽銭箱にいれてお供えします。お賽銭やお供え物を神さまに捧げることは、日々お守りいただいていることを感謝する心の表れとして、あるいはお願い事を叶えていただくためのお祈りのしるしとしてお供えするのです。

 よく「ご縁がありますように」などと語呂合(ごろあ)わせで、500円玉をあげるものだと思っている人が多く見受けられます。

しかし、昔から願かけの際には「身削り(みけずり)」などと言って、自分の生活を切り詰めて、贅沢(ぜいたく)をがまんしてお賽銭を上げました。お賽銭の額は、その人のお気持ちで結構ですが、神さまに上げられたお賽銭は、神殿の修理や境内の整備などに使われます。

皆さんが生まれ育った地域の鎮守の森と神社は、皆さんのお賽銭によって支えられていることをお忘れなく。



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