第6章 住まいに関するお祭り
■[上棟祭(じょうとうさい)]
 2.上棟行事ってどんなことをするの?



 上棟行事には、「槌(つち)打ちの儀」「鳴弦(めいげん)の儀」「散餅散銭(さんぺいさんせん)の儀」があります。

「槌打ちの儀」は、棟梁(とうりょう、大工)が「千歳棟(せんざいとう)・万歳棟(まんざいとう)・永永棟(えいえいとう)」と声を発し、棟木(むなぎ)を打ち固める儀式です。

「鳴弦の儀」は、まず北東つまり鬼門(きもん)の方角に向いて、弓の弦をひき天に向かって矢を放ちます。

次に南西つまり裏鬼門(うらきもん)の方角を向いて、弓の弦(つる)を地に向かってひき矢を放ちます。

これは、両鬼門から諸々の災いが入らないように行う儀式です。

「散餅散銭の儀」は、屋根の上より餅やお金を撒(ま)くことで、方位の神さまへのお供え物とも、また福をわける意ともいわれています。

 近年は上棟祭のほかに「立柱祭(りっちゅうさい)・定礎祭(ていそさい)」または「金銀鋲締結式(きんぎんびょうていけつしき)」などを行うところもあります。

「千歳棟・万歳棟・永永棟」には、千年も万年も永遠に、この棟(家)が何事もなく丈夫で、家族が幸せに過ごせるようにとの願いが込められています。

 上棟祭に欠かすことができないものが「棟札(むなふだ)」です。

棟札は、将来のための記録になるものです。

後日、造営の日時や関係者などを知ろうとする場合、最もよい資料となります。

古来より、建物の記録を残すために用いられてきました。

後世への記録として、建物を文化的・技術史的に理解する有力な史料となります。

 棟札の表には「奉鎮祭」、祭神名(神さまの名前)、家屋名を墨書きし、裏には上棟祭を行った年月日、奉仕神職名、関係者の名前などを墨書きします。

また工事費などを記録することもあります。



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