第7章 先祖のまつり
 6.お盆と正月って同じ行事なの?



 お盆(ぼん)の行事は、旧暦7月15日を中心とする、もともとは祖霊(それい)をおまつりする日本古来の神道の行事で、現在では新暦の八月に行う地方もあります。

各家庭のご先祖さまが「精霊(しょうりょう)」として帰ってこられるのをお迎えし、手厚くもてなすために、盆棚(ぼんだな)を飾り、提灯(ちょうちん)をともし、門口に迎え火を焚(た)き、花や手料理を供えて、家族皆でご先祖さまをお慰(なぐさ)めします。

盆踊りも精霊をお慰めする行事の一つなのです。

ところが、仏教を布教(ふきょう)するため、日本古来の七月の祖霊祭(それいさい)に、仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を結びつけたために、現在では仏事であるかのように思われているのです。

 きわめて古い時代の日本では、旧暦の1月15日と7月15日ごろの満月を中心として、年に二回、神さまのご来臨(らいりん)を願い、祖霊(それい)の祭りを行っていました。

私たちは、大層にぎやかな時、あるいは楽しい時には「盆と正月がいっぺんに来たようだ」などと表現しますが、実は「お正月」は、祖先神(そせんしん)や歳神(としがみ)さまといった「神々」をお迎えして行う「お祭り」であり、一方「お盆」は、祖先神までには昂(たかま)っていない「精霊(しょうりょう)」をお迎えして行う「お祭り」なのです。

ともに、感謝と祈りを捧げるための対(つい)をなすお祭りです。それゆえに、お盆の行事とお正月の行事は、ほとんど共通する要素からなっています。



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