第9章 四季の行事
 7.十五夜



 一般に十五夜というのは、「中秋の名月」と呼ばれている旧暦8月15日の月のことをさします。

中秋の名月と呼ばれるのは、旧暦では7月・8月・9月を秋とし、7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋と呼んだことに由来します。

また、この頃になると空がすみわたり、月がより美しく見え、それを眺めるのにちょうど良い時期だからなのです。

 中秋の名月を鑑賞する習慣は平安時代に始まりましたが、この月見が民間に定着するにあたっては、やはりその基礎となる習俗がありました。これが初穂祭(はつほさい)、つまり秋の収穫祭であるとされます。

 春から手を掛けて育てた作物が秋には実り、人々に大事な食料をもたらしてくれます。日本人はこの自然の恵みに感謝してこの時期いろいろな祭を行ないました。

特にこの時期に多くお祝いされたのは里芋の収穫で、そのため、月見に里芋を供える風習ができ、この名月を「芋名月」とか「芋の子誕生」と呼ぶ地方もあります。



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